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イマイのコラム
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沖縄のチビチリガマ
2017/09/20
沖縄のチビチリガマを荒らしたと、少年たちが逮捕されました。地元沖縄の少年たちは「心霊スポット」として「肝試し」のために洞窟に入り、遺品を壊し、看板や千羽鶴を破壊したといいます。これは驚愕であり、憤りを感じ、平和教育の在り方を考えさせられる事件です。

私自身、学生時代に沖縄に渡り、ひめゆり学徒隊の人の話を聞き、平和祈念資料館のたくさんの顔写真や手記を拝見しました。また、案内人の先導のもとでチビチリガマに入り、沖縄戦での民間人の悲惨な体験を教えていただきました。そこでは「あなた方の足元には拾いきれない遺骨がたくさんあり、今、まさにあなた方はそれを踏んでいるのです」「踏んで跡形もなくなるのを防ぐために、この先には足を踏み入れないでください」と小さな石で囲った一角がありました。

朝日新聞の9月7日の投書欄に、「ひめゆり学徒に心寄せた長女」という題で42歳のお母さんの声が載りました。平和記念資料館で小学2年生の長女が生き残った生徒さんの手記を食い入るように読み、帰る時間になってもまだ読み終えていないからと帰ることを拒むために資料集を購入したとのことで、埼玉に帰ってからも毎日これを読んでいるという内容でした。

小学2年生の女の子にとっては初めての戦争の追体験であり、衝撃の内容だったのでしょう。この女の子のような体験をすれば平和を守ることの大切さを知ることができ、そのために戦争遺産を守ることの大切さも考えることができるのだと思います。

同じく朝日新聞の9月19日の投書欄には、「チビチリガマ、なぜ荒らしたか」と埼玉県の72歳の男性の声が載っています。そこでは「少年たちは洞窟や遺品が何であるかは知っていても、多くの方が自決した事実を県民として全く理解していなかったことになる」として、平和教育について大人たちが考えなければならないとしていました。

今回の事件に対しては憤りを感じますが、少年たちに対する憤りだけでなく社会全体に憤りを感じています。韓国や中国をはじめとするアジア各国では、日本の侵略の事実を学習しています。ドイツではヒトラーやナチスが何をしたか、アウシュビッツがどのような場所かを学習しています。

日本でも、日本がアジア各国に何をしたかを知り、また沖縄で日本軍が何をしたかを知る必要があると思います。学校での学習も必要だと思いますが、平和教育は無理強いするものではなく「興味を持たせ、自ら学ぶことができる場所を提供する」ことが大切だと思います。

沖縄、広島、長崎をはじめ、日本全国には戦争遺産がたくさん残っています。これらを大切にすることにより、戦争で犠牲になった人たちに気持ちを寄せ、平和を守るために自分ができることを考えたいです。