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イマイのコラム
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吉田調書
2014/05/23
朝日新聞が5月20日より報道している「吉田調書」について考えたいと思います。プロローグにはこのように記述されています。
朝日新聞は、東日本大震災発生時の東京電力福島第一原子力発電所所長、吉田昌郎氏が政府事故調の調べに対して答えた「聴取結果書」を入手した。レベル7の大災害を起こした福島第一原発の最高責任者であり、事故収束作業の指揮官であった吉田氏の唯一無二の公式な調書である。
ここで明らかになった事実は、当時原発で働いていた人の9割が所長の意志に反し福島第二原発へと移動してしまい、残った69人で第一原発の火災事故に対応せざるをえなかったという事です。又、所長自身も注水冷却への対応の悪さを反省していた事も判明しました。

ここで問題としたいのが、「誰が逃げて誰が逃げなかったのか」とか「対応が悪かったのは誰のせいなのか」という個人攻撃ではなく、今後の事故対応のためにも「何が起こって」「どのような判断の下で」「どのような対処がなされたのか」、そして「それが良い結果を生んだのか」、そうでなければ「どのような対処が考えられるのか」といった検証だと思います。

原子力規制委員会の田中俊一委員長が、この吉田調書の内容を知らないというのも問題だと思います。これは田中委員長の問題でなく、「原子力の是非を考え、事故が起こらないようにするためにはどのようにすべきか、あるいは事故が起こってしまった場合にはどのような対応が考えられるのか」といった事を検討するために、内容を公開し検討する必要のある書類だと思います。

未曾有の大災害であり、今後は起こってはならない惨事であるがゆえに、この状況を所長という立場で経験した人の残した言葉は世界的に見ても第一級の資料だと思います。大切にするために情報公開してもらいたいです。