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イマイのコラム
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保険契約について
2019/07/18
かんぽ生命の「不適切販売」が話題となっています。今までの保険契約を解約し新たな保険を契約する際に、「お客様のための変更」ではなく「保険会社のため」や「営業成績の上積みのため」「契約ノルマ達成のため」の変更になっていました。その結果、契約者に対して不利益な契約になっていたということです。

自由競争の中で生き残るためには、会社に利益を実現させなければなりません。そのため、営業ノルマなどが課せられ、利益第一主義になってしまいます。その結果、契約者のためにならないばかりか、従業員も疲弊してしまいます。このような状態が続くと会社の信用が失われ、顧客ばかりか従業員にも逃げられてしまうでしょう。そのように考えると短期的な利益を目指すのではなく、長期的に利益を持続させることができる会社が強い会社であるといえます。

そもそも保険契約は非常に難解です。自分自身にどのような保障が必要であるのかさえ、自覚できない場合が多いです。それがわかった場合でも、どの保険会社のどの商品を選べば良いか種類が多すぎてわかりません。そんなときに頼りになるのが保険代理店の窓口です。しかしながら、一部の保険会社の商品しか取り扱えなかったり、契約者を第一に考えず受取手数料が大きい保険を勧めたりする代理店も多く存在します。どの保険代理店とお付き合いするのかで、契約者の利益が大きく変わってしまうことでしょう。

多くの消費者にとって、郵便局の窓口は信用のおける窓口のひとつだったはずです。かつては公務員であり、利益追求を求める組織でなかったので信用度も高かったことでしょう。しかしながら、民営化後は利益を求めざるを得ない体制になり、投資信託の販売や外資系保険の販売など、お客様のためでなく利益追求のための方策が多くなってしまいました。そうなると「ここで相談しても大丈夫なんだろうか」という不安が生じてしまいます。今まで培ってきた信用が一気に失われてしまいました。

日本人は欧米に比べて株式などへの投資に消極的で、貯蓄や保険への支出が多いと言われています。投資を投機と考え「何か危ないもの」という意思が働き、万が一に備えて安全資産である貯蓄や保険を選んで来たのです。(貯蓄や保険が安全資産であるかどうかは、いろいろな考え方があると思いますが…。)

一生の買い物で一番高額なものは、家でしょう。その次が保険契約だと言われています。毎月数万円の支出を一生にわたって支払うのですから、本来ならば契約の際には熟慮が必要です。それなのに安易に契約してしまう例が多くあるのではないかと思われます。安易に契約するため契約変更も熟慮せず、安易に変更してしまう…前述のように、自分に必要な保険内容が何であるのか、どの保険商品が自分にとって有益なのかがわからないため、勧められるまま契約を行ってしまうのでしょう。

今回の不適切販売は、消費者の不勉強を逆手にとって、保険勧誘員が自分たちの都合の良い保険に変更させていたのが明るみに出たものです。実際は、簡易保険だけでなく民間の保険会社にも同じような事例がたくさんあると思われます。私たちのお客様の中でも「なぜ今、保険を変えたの?」という例がたくさんあります。

結果、保険契約のメリットとデメリットをしっかりと説明してくれる保険代理店と出会えるかどうかが、運命の分かれ目となってしまっています。すべての保険代理店が信頼のおける代理店であってほしいのですが…。