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イマイのコラム
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差別について考える
2020/6/15
アメリカの差別問題が大きな波紋を呼んでいます。発端である「黒人容疑者を白人の警察官が絞め殺した」映像は残忍であり、根本には人種差別があることをうかがわせるものでした。不満を爆発させた一部の人は暴徒化し、武力によって押さえつけられる口実を与えてしまいましたが、大部分の人は静かな抗議活動を行って世の中を変えようとしています。

6月11日の日経新聞によると、「風と共に去りぬ」の映画が動画配信サービスから除外されたようです。この映画は「当時の米国社会で一般的だった民族的、人種的偏見を描いている」として配信をストップされました。しかしながら「歴史的背景の説明や批判を注記したうえで再び視聴できるようにするという。『偏見の存在自体を否定することになる』ため、差別表現の削除や差し替えはしない」としています。

私はこの考え方を支持します。このような問題が発生した時、配信を永久的にやめてしまうとか、批判がありそうな場面を削除するとか、差し替えを行って批判を回避するというやり方がありますが、「過去、このような考え方をする人が大多数であった」ということを明確にし、問題提起が行えるような行動が必要だと思います。千差万別な捉え方をされてしまいますが、いろいろな考え方を知って選択することが可能…このことが大切であると考えます。

私の好きな手塚治虫の漫画を見ていると、最後の注意書きに「(略)アフリカの黒人や東南アジアの人々をはじめ多くの外国人の姿が出てきます。(略)こうした絵に不快感を覚え、侮辱されていると感じる人がいる以上、私たちはその声に真剣に耳を傾けなければならないと思います。しかしながら(略)筆者はつねに(略)権力者と弱者、金持ちと貧者、健常者と障害者など、すべての憎悪と対立は悪であるという信念を持ちつづけた人で、物語の底には強い『人間愛』が流れています。(略)手を加えることは(略)当該問題を考えてゆくうえでも決して適切な処置とは思えない(略)」と書かれています。

日本でも多くの差別がいまだに残っています。中国人や韓国人をはじめとするアジア諸国の人々への差別、障害者に対する差別など、自分とは違うもの、異質なものに対する排除が多くあります。最近ではコロナウィルス感染者やその家族に対する差別、受け入れ施設の従業員に対する差別があるとの報道もあります。感染者は見方を変えれば被害者ですし、受け入れ施設は感謝されこそすれ非難されることはないはずです。

自分もいつ同じ状況に置かれるかも知れないという想像力があれば「差別」を回避することができますし、アジア諸国の人や障害者との交流があれば「異質なもの」とする考え方が間違っていることがわかると思います。