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イマイのコラム
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ギグエコノミー
2021/1/12
年末の日本経済新聞「経済教室」欄に、ギグエコノミーについての記事がありました。12月30日には東京理科大学教授宮永博史氏、31日には筑波大学教授森嶋厚行氏の論文が載っています。

ギグエコノミーとは何でしょうか?私たちの目に見えるところでは、ウーバーイーツの配達員がわかりやすいと思います。自分の都合の良い日時だけ働くことができる働き方で、ギグワーカーとも呼ばれます。仕事を任せる方も必要なときに必要なだけ労働を得られますし、働く方も必要なときに必要なだけ働くことができます。宮永氏によれば、このようなビジネスモデルをフリーランス型と分類し、それ以外には社外副業型と社内副業型があるとしています。

フリーランス型は文字通り、ネットのマッチングサイトで個人が単発仕事を探して請け負うという働き方です。社外副業型は会社員が会社の許可を得て副業をする働き方で、会社側も社員の知見を広げるために副業を推奨します。社内副業型は半導体製造装置を製造販売するディスコが採り入れている方法で、希望する自社社員に翻訳作業などを行わせると共にその報酬を支払うというシステムです。自社装置を知っているため翻訳品質が高くなる…いわば、社内のアルバイトを社内の社員が行うというものです。

昭和の時代であれば、自分の仕事だけでなく隣の人の仕事を手伝うとか大掃除は社員全員で行うということは当たり前のことでしたが、社内副業型のギグエコノミーが推進されると給料以外の対価を得て他の人の仕事を手伝うようになってしまうのでしょうか…。

森嶋氏は「ギグエコノミーは受注する側の柔軟な働き方と、発注する側が人材を抱えなくてもよい」だけではなく、この発展としてAIがギグワークを行えるようになると言います。能力がある個人ならば自分のために稼がせるAIワーカーを作ることができるとしています。そうすると作業分担がヒトだけでなくAIワーカーをも含めたものとなり、効率的な分担がより進むこととなります。しかしながら、AIが仕事を奪うとかAIによって作業がブラックボックス化して知識やスキルの継承ができないなどという弊害が生まれる可能性があり、人間がAIの指示によって単純な労働を行うことで働きがいがなくなるという問題が生ずることもあるとしています。

そうならないために、論理的・法的・社会的な課題を計算することが重要であり、法令違反を素早く検出する仕組みや、特定の人を排除しない仕組み、ワークシェアの仕組みなどが必要です。これらはビッグデータとAIで仕組みを構築することにより、持続可能で社会に受け入れられるギグエコノミープラットフォームが可能になると言います。

私が今一番興味を持っているのはRPAです。簡単に言うとパソコンのロボット化ですが、一つの命令で必要な情報を集めてくれたり計算結果を出してくれたりするシステムです。相続税の計算のために路線価を調べたり、過去の上場株式の株価を調べたりしてくれると大変助かります。実際、すでに活用している税理士がたくさんいるようです。自分のやらなければならない作業をパソコンが自動に行ってくれれば、仕事の一部を外注に出しているようなものです。

考えてみると、税理士の業務の半分は財務資料の作成や申告書の作成です。これはコンピュータを利用しています。手書きの時代には人海戦術でたくさんの人手がかかっていましたが、パソコンを利用することで人手は半分以下になっています。これもパソコンに外注しているようなものです。税理士の仕事はコンピュータとの親和性が高く、これからも仕事の仕方がどんどん変化していくことになるでしょう。AIを活用した自動仕訳などが導入できれば、私たちに求められる役割は大きく変化することになります。非常に楽しみです。